海外のポスドク研究者の給料は?税金はどれくらい?生活水準はどんな感じ?【カナダ ハリファックス編】

海外でポスドク研究者やってみたいけど給料や生活水準はどんな感じなのかな?

って思っている方への記事です。

今回はカナダのノバスコシア州の大学での医学系のポスドク研究者についてすべてさらけ出した記事になります。

今回の記事でわかること

・どれくらい給料を貰えるのか

・どれくらい税金が引かれるのか

・どれくらいの家賃の家に住んでいるのか

・どんな生活しているのか

決して高い給料ではありませんが、”人生の幸福度指数” は今が一番高いかもしれません。

将来海外で研究者やってみたいという方、参考にして頂けたらと思います。

ポスドクって何者?

大学を卒業すると”学士”という称号を頂けます。

その後に大学院修士課程を修了すると”修士”という称号を頂け、その後の博士課程まで修了すると”博士”の称号を頂けます。

一般の会社に社長、副社長、部長、課長、係長などの地位があるように、大学教員になると、教授、准教授、講師、助教という地位があります。

ポスドク研究員とは、英語で Post Doctoral Researcher といいます。

ポスドク

博士(Doctor)の称号を得たけど、まだ大学教員になって研究室を運営するには力不足なので、一応給料はあげるので修行を積んで下さい。といった大学院生と大学教員の間の身分

僕は一度大学教員の助教となりましたが、自分にはまだ研究で生きていくには力が足らないなと実感しました。

そこで34歳の時に退職し、ダウングレードになりますが、ポスドク研究者として海外で経験を積もうと決めました。

海外のポスドク研究者の給料は?

ポスドク研究員の給料は基本年俸制です。

契約時に年俸が提示され、12で割った値が月額給料になります。

給料(年俸)

CA$45,000(JP¥4,500,000)

1CA$=100円換算

これが12で割られるので月の給料は CA$3,750 (JP¥375,000) です。

勿論、年俸の額に所得税や年金などがかかり、毎月の給料から引かれますので、全額貰えるわけではありません。

税金はどれくらい?

勿論日本と同様、収入に応じて税率が異なりますが、これくらいの収入の人はこれくらい引かれるのかと参考にして頂けたら幸いです。

税金

所得の約30%

以下が税金の内訳です。

年金    4.7%

連邦所得税 9.6%

州所得税  8.7%

雇用保険  1.6%

ポスドクに関する税 1.9%

年金、雇用保険、ポスドクに関する税は実際もう少し高いのですが、半分近くを雇用主(大学)が負担しています

なお、詳細な税率などは こちらのサイトをご参照ください。

ざっとCA$996.69 (26.6%) が引かれ、手取りは、CA$2753.31 (JP¥275,331) となります。

日本の30代の平均年収と比べるとかなり安いですね。

しかし、個人的には自分の好きな分野に間して徹底的に勉強しながらお金が頂けるなんて魅力的にも感じます

それに加え日本で重荷だった雑務がゼロというのが非常に良いです。

ハリファックスの家賃は?

以前にロンドンに住んでいましたが、やはり大都市は物価が高いので、大都市でポスドク研究員やると生活は厳しくなります。

幸いにもカナダ ノバスコシア州 ハリファックスは、ど田舎と大都市の間くらいなので物価は日本の郊外の地区と同じくらいです。

ハリファックスをもっと知りたい方はこちらをお読みください!

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僕は職場がダウンタウンにあるので、歩いて通えるようにダウンタウンに住んでいます。

家賃相場

Bachelor(ワンルーム)で CA$800-900(JP¥8-90,000)

1 bed(1LDK)で CA$1,000-1,300(JP¥10-130,000)

少し郊外に行けば更に安くなりますし、シェアハウスに住めばもっと安くなります。

基本的に水道代とヒーティングは家賃に入っているので、WiFiと電気を契約するだけなので家賃プラス CA$80 くらい余計にかかるくらいです。

住まいは地上35階建てでカナダ東海岸一の高層マンションでした。

このマンションの29階の 2 bed の家をシェアするのですが、月額 CA$1,200(JP¥120,000)です。

部屋からの眺めはこんな感じです。

ハリファックスの生活費は?

食べ物に関しては、自炊すれば多く見積もって月に CA$400 – 500(JP¥4-50,000)くらいです。

しかも結構豪華な食事ができます。例えばロブスター。

ロブスターはスーパーでライブで買ってきて家で塩ゆでして食べると 約$20(2,000円)くらいです。

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外食すると消費税+15%、チップ+15%の計30%が上乗せされるので高くつきます。

スーパーでも一緒じゃない?と思うかもしれませんが、軽減税率が施行されています。

食べ物でもジュースやお菓子などの嗜好品以外には消費税はかかりません。

外食が高いといっても、ロンドンのような大都市に比べたら安いです。

お酒1杯+メインメニューの外食をすると消費税+チップ込みで CA$25(JP¥2,500)くらいですかね。

僕は友達と遊ぶとき以外は朝、昼、晩、全部自炊しているので1日の食費は CA$10 くらいです。

どんな仕事?

ポスドクの仕事はとにかく研究です。

それ以外はやりません。

日本では臨床・教育・研究の3つをやらないといけなかったので、研究に力を入れるとなると過労状態です。

海外では臨床メイン、教育メイン、研究メインと分業されているので、過労になることはありません。

そのため、上記の給料でも時間にゆとりがありますし、心にもゆとりがもてるので、とても満足しています。

詳細は過去の記事をご参照頂けたら幸いです。

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なぜ今が一番幸せなのか?

大学院で博士号とり、他大学で研究員として研究修行させて頂き、母校の助教のポジションに付けました。

それなりの給料を頂け、世間から凄いねーとか言われました。

ただ、やはり自分が今後研究室を運営するには実力不足だと感じていました。

それは海外に行けば一目瞭然です。

日本人はぬるま湯に浸かりすぎて競争社会からおいてかれています。

歳を重ねれば重ねるほど背負ってきたものを捨てることは難しくなります。

思い切って動き出せたのは本当に良かったです。

最初は、不安しかありませんでしたが、仕事もプライベートもやりたいことに専念できる環境は海外でのポスドク研究員の特権だと思います。

また、どうやって研究室が運営されているのかというのを目の当たりにしているので、今後日本に戻った時に上手く活用したいと思っています。

研究者として生きていくには世界中にコネクションが必要になってきます。

海外での研究留学では今後世界を引っ張っていく研究者と苦楽を共にするので家族のような仲になります。

こういった財産は日本にいては手に入れられなかったと思うので今が一番幸せだと感じています。

さいごに

他人の人生にも関わらず最後まで読んで頂き有難うございました。

海外で研究者していて感じるのですが、日本人の進出がかなり減っています。

一人でも多くの研究者が海外で経験を積んで日本に還元してくれたら嬉しいです。

ハリファックスについてもう少し知りたい方はこちらの記事を読んでみてください!

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